理想と現実の乖離を、早くも2011年に論じたのがダニ・ロドリックだった。本書の中心概念は、「民主主義、国民国家、グローバル化追求の3つは同時に成立しない」というトリレンマだ。グローバル化を進めると、国内の社会契約を守るための政策余地は失われ、民主主義 ...
「全体主義とは一度に完全かつ最終的な確実性を獲得しようとする試みである。これに対して民主主義とは、制度化された不確実性なのである」(ヤン=ヴェルナー・ミュラー)。ファシズム/権威主義/「反リベラル」体制と民主主義を分かつ大きな境界線の一つは、この「制 ...