理想と現実の乖離を、早くも2011年に論じたのがダニ・ロドリックだった。本書の中心概念は、「民主主義、国民国家、グローバル化追求の3つは同時に成立しない」というトリレンマだ。グローバル化を進めると、国内の社会契約を守るための政策余地は失われ、民主主義 ...
「全体主義とは一度に完全かつ最終的な確実性を獲得しようとする試みである。これに対して民主主義とは、制度化された不確実性なのである」(ヤン=ヴェルナー・ミュラー)。ファシズム/権威主義/「反リベラル」体制と民主主義を分かつ大きな境界線の一つは、この「制 ...
「ケンカするほど仲が良い」とはいうがこちらはどうか。すっかり険悪ムードの日中関係である。ただでさえ外国人を敵視する排外主義的な空気があふれる本邦だ。今回の騒動をどう見るべきか? 賢者は歴史に学ぶという。日中2000年の歴史に詳しい中国思想史の専門家、 ...
自民党と日本維新の会が合意した衆院議員の定数削減が、連立政権の行方と相まって注目を集めている。現行の小選挙区比例代表並立制導入が1994年に決まって以降、定数削減が実現したのは3回。「選挙制度の抜本改革」「1票の格差是正」といった論点が複雑に絡み合い ...
香港の議会に当たる立法会の選挙が実施され、親中派が全議席を獲得した。権威主義化が進む状況を浮き彫りにしたと言える。